ラ・カサリンガと壁画制作過程 [Ristorante jp]
長めの日本滞在を終えて先日フィレンツェに戻りました。
南欧は時ならぬ猛暑、フィレンツェも連日30℃を超えて、
新旧インフルエンザウィルスも退散という勢い。
夏に向かってどうなるのかと思っていましたが、
幸い今日から涼しくなりました。
ところで5月8日、丸の内パークビルに
ラ・カサリンガ アンジェラ エ メイコ La Casalinga Angela e Meiko…と、壁画の話に進む前に、
このレストラン
「ラ・カサリンガ アンジェラ エ メイコ」
についてご紹介しないと、
ですね。
すでにいくつかのblogでご紹介も頂いておりますが…。
…その他、たくさんのblogでご紹介頂きました。
皆様、ありがとうございました。
また集英社のwebサイトs-woman.netの
新雑誌エクラのページ
でも詳しくご紹介頂きました。
その他多くのメディアでとりあげて頂きました。
あわせてお礼申し上げます。
リンク先でもご案内のとおりですが
以下、改めてご紹介致します。
まずは店名
ラ・カサリンガ アンジェラ エ メイコ
のご説明から。
カサリンガcasalingaは「主婦」「家庭の…」という意味。
〈家庭料理をベースにした素朴で飾らない、毎日食べても飽きない料理〉
という店のコンセプトを表現しています。
アンジェラはフィレンツェ在住の主婦、
アンジェラ・ヴィスカAngela viscaさん。
以前の記事、
で、ちらっとご紹介しています。
メイコはもちろんメイコ・イワモト。
アンジェラとメイコがトスカーナの家庭料理をベースに、
実際に料理を作り、試食を重ねながら、
このレストランのメニューとレシピの基本コンセプトをつくりました。
右からアンジェラ、メイコ、後述のパティシエ啓子さん
Angela,Meiko,Keiko....da destra
そのコンセプトを活かしながら実際の料理をつくるのは
シェフ星 誠さん、パティシエ長谷川啓子さんを初めとするスタッフたち。
星 誠さんは
の中の記事、リストランテ・エ・テラッツァ・バルディーニ で
…このレストランの最重要人物はMakotoこと星 誠さん。
ヴィアレッジョから届く新鮮な魚介をすべてとりしきっています。
誠さんの自己紹介
「三つ星から…マンマの家庭料理を学んだ料理人。
モットーは『人間が一流なら料理も一流である』。
だが一流とは何か、と毎日 自問自答の繰り返し」
(残念ながら、現在はこのレストランを退職、12月の日本への帰国準備中
でも、日本のレストランで会えるかも?です…)
…と、既にご紹介済みです。
かのミシュラン三つ星「ダル・ペスカトーレDal Pescatore」
(近々、ご紹介記事up予定)
を始め、イタリア各地で研鑽を積む事9年!
有名無名のレストラン修業の果てに流れ着いた
ではなくホントは三顧之礼で招かれたのが
フィレンツェのお洒落で魚介が最高に美味しいレストラン
だったというわけです。
そこで出会った彼の「そろそろ帰国を考えています」
と言う言葉を聞いて、
無理やり「ラ・カサリンガ」に
ヘッドハンティングさせて頂いたという訳です。
パティシエ長谷川啓子さんも
同じくフィレンツェからのスカウト組です。
OL生活から製パンの世界に飛び込み、イタリアにやってきて
フィレンツェ最高のパスティチェリア(洋菓子店)と誰もが認める
ジョルジョPasticceria Giorgio(こちらも近々、ご紹介記事up予定です)で
3年間修業した素敵な女性です。
彼女が作るドルチ、中でもズコットとブルッティ・マ・ブオニは絶品です。
ズコットとブルッティ・マ・ブオニ、
馴染みのないお菓子かも知れません。
どちらも日本でご紹介するのは多分、このレストランが最初です。
ズコットzuccottoは後期ルネサンス、マニエリスモ期の建築家
がメディチ家の晩餐会のために発明した
ジェラートの原型とも言われるセミフレッド(半氷結)のケーキです。
司祭の帽子ズッケットzucchettoに似ているからとも言われています。
本邦初公開のメイキング・オブ・ズコット…
中央はMaiさん。メイコの料理教室の第1期からの生徒さんの一人。
フィレンツェにカフェ修業中をスカウト。
ラ・カサリンガのバリスタとして頑張っています。
da sinistra...Keiko,Mai,Meiko
出来上がり
中身はこんな感じです。
ブルッティ・マ・ブオニについてもご紹介したいのですが、
それは次の機会に。
忘れちゃいけないスタッフはまだまだいます。
「ラ・カサリンガ アンジェラ エ メイコ」
のホームページのconcettoページのホスピタリティの写真で
後列左からイタリア体験の長いクオーコGenさん、Makotoシェフ、Norioグランシェフ、パティシエKeikoさん、Koyukiさん、マネージャーHirohikoさん、前列左からクオーコNaokiさん、バリスタMaiさん、クオーカYukoさん、ソムリエKoheiさん、フィレンツェスカウト組ホールRyuheiさん。
その他、写真には写っていない同じくフィレンツェスカウト組ホール担当Kumikoさん、Syokoさん…。
まだまだ紹介したいことばかり(あ、もちろん肝心の料理のご紹介も)ですが、きりがないのでまた機会を改めて。
というわけで
ここから壁画の制作過程です。
フィレンツェで描いた「絵画/ラ・カザリンガ壁画モデッロ」
写実画壇展で発表した絵↓
展覧会の規格に合わせて左右を折り曲げ上下を延ばしています。
構図のバランスが変わったためモティーフを描き加えています。
この絵はyk2さんのHearts and Numbersでもご紹介頂いています。
yk2さんが評されているとおり余白が多いのですが、
日本的造形を意識しているからです。
その事を日本の絵描き仲間に言うと冗談のように受け取られてしまいます。
イタリアから見るととても日本的な絵だと思うのだけど。
中央の女性のモデルは
「向かって左の美しい人については秘密です…消しゴム版画調でご紹介!」
した誠さんの隣の女性です↓
ところで何故この絵を描いたのかというと
タイトルにあるように
ラ・カサリンガの壁画のコンセプトをまとめるためだったのです。
実はラ・カサリンガの壁画は最初「ヴノリオ」の場合のように、
綿布にテンペラで描いて壁に貼り込むつもりでいました。
そこでフィレンツェで180cm×380cmというサイズで
描き始めました。
この絵とは全然別の、架空の街の風景(仮題"La Casalinga 00")↓です。
"La Casalinga 00"(部分)
ところが綿布を壁に貼り込むのが消防法の関係で難しいとのこと、
現場で直接壁に描く方法に変更しました。
そこで、"La Casalinga 00"は途中でやめて、この絵を描いたという訳です。
"La Casalinga 00"はこの夏完成させてどこかで発表したいと思っています。
ところでカサリンガの店内を見て最初に気になった(気に入った)のが、
天井近くの古材で設えた‘梁’です。
突然ですが、ダル・ペスカトーレに行く途中立ち寄った
パルマの聖パオロ女子修道院のコレッジョの壁画です。
ドーム状の天井の下側のモチーフ
これです↑
1/4球形の窪み(もちろん騙し絵)がズコット型を思わせます。
その下の布に掛けられているのは皿や壺など。レストランのモティーフにぴったりです。
そこでこのモティーフを借用することにしました。
もちろんそのままではつまらないので…
こんな具合に直接木炭でデッサンしてアクリル絵の具で描いていきます。
布のモティーフの下はフィレンツェの大好きな建造物。
布の上の文字は店の立ち上げに加わった仲間達の名前。
店名のアンジェラとメイコが誰だか分からないといけないので二人の肖像を追加。
実際に働く仲間達を描くべきだと思い直し人物を増やします。
人数も最後の晩餐と同じ13人。ちょっと嬉しい。
グランシェフNorio氏「僕も描いてよ」…なので追加。
最後の晩餐じゃなくなってしまうけど、かえって良いかも。
オープンの支度がととのったところです。
営業時間 月-土 11:00~22:00(L.O.)(23:00閉店)
日・祝 11:00~21:00(L.O.)(22:00閉店)
ランチタイム 11:00~14:00(L.O.)
カフェタイム 14:30~17:00(16:30L.O.)
定休日 無休(ビルの休館日に準ずる)
住所 100-6990 東京都千代田区丸の内2-6-1
丸の内パークビルB1F
丸の内パークビルB1F
TEL 03-5293-1105 FAX 03-5293-1106
2009-05-27 17:02
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